狂気と戦うもの

「1986年、ソウルから南に約50km離れた京畿道華城郡台安村で
 一人の女性が暴行を受け、殺害された。
 そしてそのあと91年まで10件に及ぶ連続強姦殺人事件が続くことになる。
 その事件で30万人の警官が動員され、3千名の容疑者が取り調べを受けたが、
 結局犯人を捕らえることは出来ていない」
先日発売されたばかりの、この事件を扱った刑事のノンフィクション手記を
読ませてもらっている途中だが、本当にヒドイ事件だ。
この事件で犯人はまだ捕まっていないが、それを追う刑事の執念が
ヒシヒシと感じられる。
最後のほうに「殺人犯へ送る手紙」という犯人へのメッセージがあったのだが、
その執念たるや狂気にも近しいほどだ。
読んでいてニーチェの『怪物と戦うもの』の一説を思い出させられた。
「怪物と闘うものは、その過程で自分自身も怪物になることがないよう、気をつけなければならない。闇を覗き込むとき、その闇もまたこちらを見つめているのだから」

華城(ファソン)事件は終わっていない〜担当刑事が綴る「殺人の追憶」〜
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4777800237/250-2396967-8232222

参考
殺人の追憶
http://www.cqn.co.jp/mom/