無銘の石

「無銘の石の下には無名の人が埋まっていて、
 今宵、その人々のためが誰かが祈ろう」
それを知った私は世界の儚さに涙した。
自己憐憫の感情があったことも否めないが
世の中が捨てたもんじゃないことを知った。
無意味な涙など流すまい。
だが無意味な涙などあるまい。
無銘の石が教えてくれたこと。