富士登山当日

つーわけで、前日全然準備不足のままのぞんだ富士登山当日。
朝、6時半くらいに起きて準備しつつシャワーなど浴びて、
物置となったかつての自分の部屋から旅の装備をひっぱりだしたり
整理したりしているうちに時間が……。
そんな感じだったので、結局装備品もきちんと整理できぬままに
出発とあいなりました。
このとき、必要のない装備は御殿場駅にでも置いていこうと思って
たりしてたんですが、実際そんな余裕はなく、結局全てを富士山へ
持っていくことに…。
そんなわけで同行した全員の中で僕のバックパックが一番重くなって
しまい、これも後々登山のダメージ要因になったりして。
で、とりあえず御殿場に向けて出発し、食料品をコンビノン*1で買いこみ
義兄の知り合いのお店でワインをゲットしてから須走5号目行きのバス
へ乗りました。
とにかく睡眠時間が足りてない僕は、バスの中で寝こけてみたりして
ましたが、最後のほうはあまりの揺れに起こされ天候不順を再認識。
「つーか、雨降ってるじゃん」
バスに乗ってきた皆様もとっとと雨具の用意などしてたりしてます。
今回、人一倍適当な雨装備で望んだ僕としては、ちょっと先行き不安
な気持ちに……。
まあ、とにかく5号目の山小屋で腹ごしらえをし、バックパック用の
レインシートをゲットしてからいよいよ富士登山へ出発です。
須走口ルートは緑が多いことが知られていますが、本当に自然が一杯で
最初の登山道は楽しかったです。
途中で登山用の杖として落ちてる枝をゲットしたりできたのも嬉しかった
ですし、やっぱ森サイコー! 樹海バンザイ! な気分でした。
でも当然ながら途中から雨が降りだし、そして僕は雨に濡れそぼり
高度があがるにつれて冷たい風にさらされ、寒さで体力が奪われていき
ました。まあ、雨のおかげで途中で虹とかもみれたんですが、横殴りの
雨と寒さのあまり写真を撮ることもままなりませんでした。
途中でよった本6号目で豚汁食べてなかったら、さらに酷いことになって
いたかもしれません。
ちなみに後で知ったんですが、須走ルートは風が強い事で有名だった
ようです。
まあ事前に知っていたとしてもおろかな僕の事ですから、中途半端な
対策しかとらなかったかもしれませんが。
だってある程度は寒いのを知らなかったわけではなく事前知識として
0℃近くまで下がることはきちんと知ってはいたんですから。
ここで問題だったのは雨に降られて、さらに体感温度が下がるという
事実を認識してなかったってことでわけで。
ちなみに僕は以前友人等と周りを雪に囲まれた山中という過酷な環境で
「冬の大飢饉キャンプ」というのを体験していたので「なんだ0℃くらいか」
とたかをくくっていたのも今回の寒さ対策の不備の要因だったかもしれません。
まあ、その大飢饉キャンプの時には焚火があって、水と食料があった
状態だったので救いがあったんだよね。
ところが富士山には何もないんですわ。まさに岩と風だけ。まさに不
毛の大地。ちなみに僕一人だけキャンプ装備だったので焚火の準備は
バッチリだったよ。意味なかたっけどな。
いかんせん木が無いもんなあ。どうしようもねえよなあ。
本当に焚火さえあれば0℃環境でも凌げたのに……まあ今更そんなこと
言ってもしかたないんですが。
で、そんな救いの無い状況でだんだん寒さと風で体力が尽きていく中、
少しづつ歩を進めて行ったんですが、いかんせん身体がどんどんと
凍えていき、手もかじかんで、判断力も低下。
こんなとき無駄に重い自分のバックパックが体力を奪うことを呪わしく
思ったりしました。
とにかく「一歩踏み出すごとに目的地に近づく」という希望をもとに
果てしなく続くとかと思える登山道を行きました。
宿を取っている本8号目についたときには旅の仲間も体力がつきかけて
おり、皆5メートル進んでは一休みしながらなんとか辿り着きました。
到着してからはとにかく乾いた服に着替えて、少しマシになりましたが
どうにも身体が凍えきっており、宿の中で暖をとれるところを探したら
囲炉裏しかなく、凍えきった状態で夕食をとることに……。
とにかく身体が冷え切っているので夕食後、皆ですぐに寝に入りました。
しかし、僕は寝てから思い出しました。
「そういや俺、明日着る服って濡れたのしか無いや……どーしよー……」
対策を考えようと思いましたが疲れきって横になった僕はそのまま寝て
しまいました。